革靴といえば、ビジネススタイルに合わせるもの、フォーマルなものから、レザースニーカー、ブーツ、スパイクなどいろんなデザイン、用途のものがあります。
やはり、革靴のメリットといえば、柔らかな天然皮革の履き心地の良さに加え、耐久性が高く丈夫なこと。
ただ、手入れをしなければ汚れで艶もなくなり、「劣化」してしまいます。
きちんとお手入れをすれば長持ちしますし、履き込むほどに足に馴染み、愛着のわく一足になることでしょう。
ここでは、簡単なお手入れの仕方と、お手入れにおススメの道具などご紹介いたします。
靴に使われる革はアッパーに牛、ライニング(靴の内側)に豚のクロムなめし革で作られることが多いようです。
クロムなめしの特徴として、タンニンなめしに比べ、
と言われています。
とはいえ、同じ靴を毎日履くと、前日に溜まった靴の中の湿気が抜け切れず、雑菌が繁殖して臭いの元になりますし、革自体も傷みます。
是非、ベストな状態でお気に入りの靴を履きたいと思うなら、最低でも1日は、靴を休ませて履くと良いでしょう。
履く頻度を減らすことで、お気に入りの靴を長持く履き続けることができます。
革靴を履いた日は、ブラシでホコリを取り、シューツリーを入れて、シューズボックスではなく、換気のある場所に置きます。
1日履いた靴は、かなりの湿気や汗を吸っているので、しっかりと湿気が取り除かれた状態になってから、クリームを塗るなどのケアをして、シューズボックスに靴を並べるといいでしょう。
突然の雨などで革靴が濡れてしまったときは、靴の中に丸めた新聞紙を入れて、できるだけ風通しの良い場所で完全に湿気が取り除きます。
早く乾かそうとしてストーブの前に置いたりドライヤーで乾かすのは絶対にダメ。
革は、急激な温度変化や乾燥で、傷んだり、型崩れします。
また、天気が良いなら、天日干しで、紫外線による殺菌をしたいところですが、これもNG。
ゴムや革は直射日光によって劣化したり、色落ちしてしまいます。
革靴のお手入れの仕上げには、革に栄養とツヤを与える乳化性のレザー用クリームというのがありますよね。
このクリームによるお手入れは、月に1回くらいの頻度で、十分。
乳化性クリームとは、革に潤い(水分と油分)を与えて、艶出しもできるクリームです。
確かにクリームは革に栄養を与えてくれますが、塗りすぎることで、革が柔らかくなりすぎてしまって逆に傷んでしまったり、ベタベタして汚れがつきやすくなってしまいますので、適度に間隔をあけて使ってください。
革・レザーのカビ落としは専門の革・レザークリーニングでも難しく、一番大切なのはカビの予防に心がけること。
そうはいっても、日本は湿度が高いので、革靴のカビが避けられないときもあります。
放置しておくとカビは革の中まで入り込み、変色することも。
こうなったカビは取れなくなりますので注意が必要です。
※このとき、カビの胞子が飛散しないように作業したいので、できれば屋外で。
カビの胞子は消毒用アルコールやエタノールに触れると死滅します。
ただし、革製品自体が消毒用アルコールやエタノールによって劣化してしまったり、革の色となる塗料や表面コーティングを溶かすことがあるようです。
以下サイトのくも舎様で、実験されています。
くも舎
「消毒用アルコール(エタノール)で革が溶ける?」
参照:https://kumosha.com/column_200910/
革製品自体が消毒用アルコールやエタノールによって劣化してしまったり、革の色となる塗料や表面コーティングを溶かすことがないか、目立たない部分で少し試してみてから作業するとよいかもしれません。
上記方法で完全に解決すれば良いのですが、実はカビは一度発生してしまうと革の内部にまで侵入しているケースも多く、時間が経つとまた再び発生してしまうことも。
一足でもカビの生えた靴がシューズボックスにあると、ほかの革靴もカビの胞子にさらされてしまうため、状態によってはプロに任せたほうがいいかもしれません。
ご自宅で落としきることができないなと思ったら、ぜひ専門店へお任せください。