DEA皮革工房

第3回 〜色の修正・補修/リカラー〜

コラム, 革ジャケットのクリーニング

3回目を迎えた、「アットデアのこだわり〜革ジャケットクリーニング方法〜」のご紹介。
今回は、「色補修/リカラー」について、(株)レクザの山澤さんにお話を伺いました。

革製品の色はどのように再生するのですか?

革製品は、前回も言ったように、汚れの輪郭を完全に消すことはできません。
また洗ってしまうとどうしても染色堅牢度(染色の丈夫さ)が低下します。

汚れを目立たなくする、また退色が発生してしまった場合などは、リカラーと言って、元の色に合わせて色の補修をします。
その色は、革製品専用の顔料と染料を調合して作り、吹き付け、または色塗り作業を行い、しっかり乾燥させます。
顔料は多彩な色作りが可能。

染料は素材に浸透して耐久性も高い上に、革の風合いを損なわない。
両者のメリットを融合させて使っています。

そして仕上げは、色落ちしないように全面にコーティングを施します。
革製品の風合いを損なわないような、顔料と染料の調合、そして元にどれだけ近い色が再現できるかが、職人技です。
単に「クロ」や「シロ」と言っても、実際は何種類もあるわけですから。

日本製は、染色堅牢度を定めるJIS規格があり、丈夫なものが多いと思います。
また、日本は革製品のクリーニングや補修技術が高いと言えます。
海外だと、例えば革ジャケットなどは着潰してしまうという価値観が多いようで、私たちのような職人の需要は少ないと聞きます。

日焼けや経年による色落ちも修正ができるのですか?

革ジャケットは紫外線に弱い。
すぐに日焼けし、色落ちが進みます。

ジャケット全体で色が変わっているか、または部分的な変色なのか? 元の色がどうだったのか? 
細部をチェックし、色を調合。どちらの場合も対応可能です。
また、心機一転全体を別の色に変えてしまうことも可能です。


実は筆者も、目の前で色の調合を見せてもらったが、オリジナルと全く見分けの付かない調合の精度に驚きました。
また、塗った直後と乾燥後の微妙な色合いの変化も、すべて計算済みとのこと。
自然な色の抜け方も「革ジャケットの味!」と言えるけど、模様のように色落ちが進んでしまった場合などは、クリーニングと一緒にリカラーを実施すれば、新しい気持ちで革ジャケットが着られるかもしれませんね。

最終回である次回は、革ジャケットについてしまった「気になるニオイの対処方法」と、「長持ちの秘訣」についての、“今すぐできる”アドバイスをご紹介します。