DEA皮革工房

クリーニングと染め替えの技術とは

コラム, 作業例

皮革・レザーは、染色堅牢度が弱くなりますので、色が出てしまい、「洗う」ということが出来ません。
汗汚れを落とすのには、やはり水で洗い流してやりたいのです。

革を水洗いすることの難しさ

皮革・レザーは、熱に弱いので染色する際に色を固定することが十分に出来ません。
当然染色堅牢度が弱くなりますので、色が出てしまい、「洗う」ということが出来ません。
でも、人は汗をかきますから汗が皮に染みこんでしまいます。
これを除去するのにドライクリーニングでは取れません。やはり水で洗い流してやりたいのです。

しかし水洗いでも、ワーシャーなど機械にいれてかき回すことはNGです。
レザーに物理的な負荷や刺激を与えないことで、移染や縮みや変形を避けることができます。
この技術を持っているレザー専門のクリーニングはほとんどありません。

レザーならではのトラブル

レザーは長く着用しているうちに、色あせ、日焼け、スレが起こります。
またシミがついてしまうと、汚れは取れません。
家庭では洗濯できませんし、レザーの汚れ落としクリームでも取れないものになります。
レザーの表面の色は本来、アクリル樹脂で作られた顔料や、レザー用に作られた染料で、上塗りされて作られます。
染料で生地全体を染め上がる布製品とは全く違った作られ方をするのです。
色あせ、日焼け、スレが起こるのはレザーの宿命といって良いでしょう。

レザークリーニングで洗ったとしても汚れの跡が必ず残ります。
そこで必要なのが、再染色、リカラーです。

顔料、染料で適切な色を調合し、大きな所はエアブラシをかけて行きます。
仕上げには刷毛や筆を使って塗っていきます。
こうしてレザー製品はクリーニングされていきます。

ビフォア・アフター

この写真は作業前(ビフォア)の写真です。
ファスナーのついた前エリのおしゃれなレザーブルゾン。
長年使っていたせいで、全体的に色あせ、シミ、スレが多く、でもお客様は着こごちがいいので、このまま捨てたくない。
出来れば染め替えして欲しいとのご希望でした。

ビフォアの後ろがわは、背中側も同じように汚れと色あせが目だちます。
染め変えは、同系色で濃い色にすることが理想的です。薄い色に染めることはおすすめできません。
レザーの場合は表面を違う色で上塗りするという事になりますから、薄い色ではむらが出来たりします。

そして作業後アフターの前側の写真。

このように、すっかり汚れ、スレ、色あせは跡形もなくなり、新しいレザーブルゾンとしてよみがえりました。
背中側もこの通りきれいになりました。

こちらは前身頃の肩周辺の作業前の写真です。

ビフォアではスレが目だっていました。
レザーは長く着用していると、何かに当たったりしますので、布とちがってどうしてもスレが出てしまいます。
作業後ではスレがきれいになくなり、きれいなレザーの風合いが取り戻せたようです。

BERORE & AFTER 事例集

専門店だからできる仕上がりの違い